遺言書を書く際のポイント
①相続人の現在の生活に添った形の財産の分け方を考えましょう。
例えば、遠方にいる相続人に自宅を残し、近くに住んでいる相続人に預貯金を残す等の遺言書を残した場合、後々遠方にいる相続人は不動産管理に苦労することになります。
上記は極端な例ですが、なるべく相続人に負担をかけない形で財産を分けるようにしましょう。
②特定の財産をそれぞれに相続させましょう。
これは、相続人が複数いる場合で財産の分け方について書く場合、それぞれ何分のいくつずつ相続させるという相続の割合だけを書く遺言書は書かないほうが良いということです。
現金や預貯金なら人数分で割り切れることが多いでしょうが、不動産等がある場合、実際に生活の本拠が違う相続人同士で1つの不動産を共有することはメリットがありませんし、後々その不動産の処分を巡ってトラブルになることもあります。
また複数の不動産がある場合、価格を調べて遺言書に指定してある割合に沿って分けることは大変難しいですので、遺言書を書く際は、どの財産を誰に相続させる、と具体的に書いておいたほうが良いと思います。
③第三者に遺贈する場合は相手の承諾を得ておくようにしましょう。
例えば、「お世話になったご近所の方に今住んでいる家や土地を残したい」と思っても、かえって貰う側はその後の管理に困ることもあります。
多少の金銭であれば問題ないとは思いますが、遺言書に書く前に、財産を遺贈したい方の承諾は得ておきましょう。
④不動産は共有名義にしない。
相続人が妻と子1人で、今住んでいる家や土地を妻と子2分の1ずつ分けるという場合は、後に順番で行けば、母親が亡くなり子供が2分の1を相続することになり最終的に子供の単有になるので問題ないと思いますが、それぞれ別に暮らしている複数の子供や兄弟に相続させる場合は考慮した方がよいと思います。
先にも書いた通り、複数人で共有することは、売買するにも改築等するにも共有者の承諾が必要になりますし、後に共有者が亡くなれば、その子が相続し、将来的にはドンドン共有者が増えていくことになり、管理に支障が出てくる可能性が高いので、不動産は単独所有にする方が良いでしょう。
また、不動産について書く場合、単に「今住んでいる家とか、どこどこの土地」と書くのではなく、登記簿謄本や権利証に書かれている、土地なら「〇〇市〇〇町〇番 宅地〇㎡」、建物は「〇〇市〇〇町〇番地 家屋番号〇番 居宅 木造瓦葺平屋建 〇㎡」と書いておくと、後で登記をする際に、問題なく手続きができます。
⑤特定の相続人に相続させない場合や相続分を少なくする場合は配慮しましょう。
財産はどう分けるか、誰に何を残すのか決めることは遺言者の自由です。
しかし、相続人によっては、法定分に従って貰えることを期待している場合もあります。
ですので、ある相続人の相続分を減らしたり、一切相続させない遺言書を書く場合は、付言事項にその理由を記載しておく、遺留分の割合だけは相続させる等配慮することで、後のトラブルを減らすことになります。
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