遺言とは

 遺言とは遺言者が生前に自分の意思で、自分の財産や身分に関することを言い残すことを言います。

読み方は、法律的には「いごん」といいますが、一般的に言われている「ゆいごん」という呼び方でも構いません。

遺言をするのに誰の承諾も要りません。

遺言を書面にしたものを遺言書(いごんしょ、ゆいごんしょ)と言います。


ご自身で自由に決めることができますので、前もって相続人の方にどのように分けたらよいか、何が欲しいか等聞く必要はありません。

 そして、遺言書がない場合、一応民法という法律で決められた分(法定相続分)が各相続人の相続分となり、またその後相続人で話し合って財産を分けることもできます。

よく「私は財産なんかないから遺言書まで書かなくても」と言う方がいらっしゃいますが、ほんとに全く何もないという場合は、いいかもしれませんが、多少なり自分名義の物があれば、遺言書は書いておいた方がよいと思います。

財産がたくさんある場合は、それはそれで相続人同士で揉めることがあっても一応分けることができますが、例えば財産が多少の現金・預貯金と、今住んでいる家と土地だけの場合、そのまま今一緒に住んでいる配偶者の方やお子さんが引き継いでくれればいいとご自身が思っていても、他にお子さん等がいた場合に、もしその方たちが何かしら相続分を要求した場合に、家や土地は分けることは難しいですし、それを共有するということは現実的ではありません。

もし遺言書があれば、一応相続人である以上最低限の権利はあるとしても、特定の相続人の相続分を減らすことができますし、遺言者の方の意思や想いがわかりますので、それによって相続分が少ない方にも納得してもらえることもあります。

ですから遺言書はどんな方であっても作成しておく方が良いでしょう。


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遺言しておいた方が良いケース

 遺言書はお金持ちの方だけが書けばよいものではありません。

また高齢者の方だけが書けばよいものでもありません。


成人になったら、誰もが考え準備しておくべきものだと考えます。

その中でも特に遺言書を残しておいた方が良いケース、残しておかないと後々トラブルになろうであろうケースは下記のような方々です。


@子供がおらず、妻(夫)に財産全てを残したいと考えている方
A先妻(夫)との間に子供がいらっしゃる方
B内縁の妻(夫)に財産を与えたいと考えている方
C家業を継ぐ子供に財産を残したいと考えている方
D相続人がいない場合や相続人以外にも財産を与えたいと考えている方
E相続人の中に行方不明いらっしゃる方


【@子供がおらず妻(夫)に財産全てを残したい場合】

 このケースは、お子さんがいなくても親がいる場合、ご兄弟がいる場合は、配偶者の方とそれらの方が相続人となりますので、後々話し合いで揉めないように遺言を残しておいた方がよいというケースです。

【A先妻(夫)との間に子供がいらっしゃる場合】

 このケースは、離婚や死別された元配偶者の方は相続人にはなりませんが、その方との間に生まれたお子さんは例えその後会ってもいない、連絡も取っていないという場合でも、そのお子さんも相続人となりますので、遺言がない場合、残った相続人の方とそのお子さんと話し合いをしなくては財産の名義も変えることはできなくなりますので、遺言を残しておいた方がよいというケースです。

【B内縁の妻(夫)に財産を残したい場合】

 いくら長年一緒に暮らしていても、戸籍上夫婦でない内縁の相手の方には相続分はありません。
逆に例え長年別居していても、戸籍上夫婦であればその方は相続人になりますので、もしそういった状況にある方は遺言で書いておく必要があります。

【C家業を継ぐ子供に財産を残したい場合】

 このケースは、農業や商売をやっていて、例えば今ある農地や店は全て一緒にやっている長男に残したいと言う場合に、その部分は長男にという遺言を書いて、それ以外のお子さん等には他の財産を相続させると書いて、家業をうまく承継させるというようなケースです。

【D相続人がいない場合や相続人以外にも財産を与えたい場合】

 このケースは、全く相続人がいない場合、財産は最終的に国庫、つまり国のものになります。
ですので、例えばどこかに寄付したいという場合は遺言書が必要ですし、病気の看病等でお子さんのお嫁さん等に世話になって、その人に財産をいくらか与えたい場合は、そのことを遺言しておかなくてはなりません。

【E相続人の中に行方不明者がいる場合】

 このケースは、事件性のある行方不明の場合だけでなく、昔、家を飛び出していったきり音信不通のお子さんがいる場合等に、そのまま遺言なしに相続が発生してしまうと、相続人の方はその行方不明の方を捜してからでないと不動産等の名義の変更もできません。
手続きを進めたい場合、例えば家庭裁判所に不在者財産管理人の選任という申立てを行うことができ、ここで選任された不在者財産管理人と相続人との間で遺産分割手続きを進めることができますが、この場合、不在者財産管理人は、不在者の財産を管理することが1番の仕事ですから、基本的に法律で決められた割合(相続分)で財産を分けることが前提なりますので、財産が家と敷地だけというケース等では、他の相続人の方の思惑通りにいかないこともありますので、遺言は必要でしょう。


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遺言の種類

 遺言には普通方式特別方式の遺言があります。

普通方式には、

自筆証書遺言・・・全文自筆で書く遺言 

公正証書遺言・・・公証人に作成してもらう遺言

秘密証書遺言・・・遺言書の存在のみを公証人に認証してもらう遺言があります。

また特別方式の遺言には、


・死亡危急者の遺言 

・隔絶地遺言(伝染病・在船者・船舶遭難者)

とありますが、特別方式は字の通り特別、特殊なケースでの遺言ですので、事例としては滅多にありません。

作成を検討される場合は、専門家や家庭裁判所へ事前に相談されることをお勧めします。


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遺言できる人

満15歳に達した人は、遺言をすることができます。

但し、遺言をするには、物事に対するある一定の判断力、意思能力が必要です。

満15歳に達していても、意思能力がなければ、有効な遺言をすることはできません。

この遺言者の能力は、遺言をする時点であればよいとされています。

また、成年被後見人であっても、判断能力を一時回復したときは、医師2人以上の立会いにより
遺言を作ることができます。


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遺言できること

 遺言書には、次のようなことをかくことができます。

【身分に関すること】
認知、後見人、後見監督人の指定など

【相続に関すること】
相続人の廃除とその取り消し、相続分の指定や指定の委託、遺産分割方法の指定や指定の委託、遺言執行者の指定など

【財産の処分に関すること】
遺贈、寄付行為など


なお、それ以外に、葬式や法要の方法、遺体の処置方法、家族の幸福の祈念、家訓なども書くことができますが、上記のとは違い、書いてあるからといって法律上の効果は生じません。

しかし、書いておくことで、相続人の方が故人の意思を尊重して、それが実現することもありますし、複数の相続人の相続分に差をつける場合に、何故そのように分けたのか、その理由を書くことでもらえる財産が少ない人が納得してくれることもありますので、そういったことがある場合は書くことをお勧めします。

 また、最近では、遺言書には法的に有効な事項だけを書いておき、その他のことについてはエンディングノートに書いておくという方法を取られる方が増えています。

エンディングノートとは、人生の最後を迎えるにあたり自分の思いや希望を家族や友人などに確実に伝えるためのノートです。

遺言との大きな違いは、遺言は亡くなった後の希望や支持を書きますが、エンディングノートは現在から亡くなった後のことまで幅広く書けることです。

本屋さんに行くとたくさんのエンディングノートが並んでいますので、お気に入りの1冊を見つけて、まずは書いてみることをお勧めします。

当事務所でも、無料相談のお客様には簡易版エンディングノートを、正式に業務をご依頼いただいたお客様には、40ページ以上に渡る本格版エンディングノートを無料で差し上げていますので、お気軽にお問い合わせください。


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普通方式遺言の特徴

種類 自筆証書遺言 公正証書遺言 秘密証書遺言
作成 方法 遺言者がすべて自筆で書いて署名・押印します。
(ワープロ等不可。)
公証人が遺言者のメモや口述に基づいて作成します。  遺言者が作成した遺言書を封印して、公証人に証明をもらいます。
証人 不要 2人以上 2人以上
署名 押印 遺言者 遺言者・証人・公証人 遺言者・証人・公証人
メリット(長所)

いつでも作成可能です。
遺言した事・内容を秘密にできます。
費用がかかりません。

 紛失、無発見、偽造、不備の心配がありません。
体が不自由な方や字が書けない方も作れます。
相続手続きがスムーズ。
家庭裁判所検認不要です。

代筆やパソコンでも作成
ができます。
内容を秘密にできます。
デメリット (短所) 紛失、無発見、破棄、隠匿、偽造、不備の恐れがあります。
家庭裁判所検認必要です。
作成費用がかかります。
遺言書の存在と内容を秘密にできません。
紛失、無発見、破棄、隠匿、不備の恐れがあります。
家庭裁判所検認必要です。



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遺言書を書く際のポイント

@相続人の現在の生活に添った形の財産の分け方を考えましょう。

例えば、遠方にいる相続人に自宅を残し、近くに住んでいる相続人に預貯金を残す等の遺言書を残した場合、後々遠方にいる相続人は不動産管理に苦労することになります。

上記は極端な例ですが、なるべく相続人に負担をかけない形で財産を分けるようにしましょう。

A特定の財産をそれぞれに相続させましょう。

これは、相続人が複数いる場合で財産の分け方について書く場合、それぞれ何分のいくつずつ相続させるという相続の割合だけを書く遺言書は書かないほうが良いということです。

現金や預貯金なら人数分で割り切れることが多いでしょうが、不動産等がある場合、実際に生活の本拠が違う相続人同士で1つの不動産を共有することはメリットがありませんし、後々その不動産の処分を巡ってトラブルになることもあります。

また複数の不動産がある場合、価格を調べて遺言書に指定してある割合に沿って分けることは大変難しいですので、遺言書を書く際は、どの財産を誰に相続させる、と具体的に書いておいたほうが良いと思います。

B第三者に遺贈する場合は相手の承諾を得ておくようにしましょう。

例えば、「お世話になったご近所の方に今住んでいる家や土地を残したい」と思っても、かえって貰う側はその後の管理に困ることもあります。

多少の金銭であれば問題ないとは思いますが、遺言書に書く前に、財産を遺贈したい方の承諾は得ておきましょう。

C不動産は共有名義にしない。

相続人が妻と子1人で、今住んでいる家や土地を妻と子2分の1ずつ分けるという場合は、後に順番で行けば、母親が亡くなり子供が2分の1を相続することになり最終的に子供の単有になるので問題ないと思いますが、それぞれ別に暮らしている複数の子供や兄弟に相続させる場合は考慮した方がよいと思います。

先にも書いた通り、複数人で共有することは、売買するにも改築等するにも共有者の承諾が必要になりますし、後に共有者が亡くなれば、その子が相続し、将来的にはドンドン共有者が増えていくことになり、管理に支障が出てくる可能性が高いので、不動産は単独所有にする方が良いでしょう。 

また、不動産について書く場合、単に「今住んでいる家とか、どこどこの土地」と書くのではなく、登記簿謄本や権利証に書かれている、土地なら「〇〇市〇〇町〇番 宅地〇u」、建物は「〇〇市〇〇町〇番地 家屋番号〇番 居宅 木造瓦葺平屋建 〇u」と書いておくと、後で登記をする際に、問題なく手続きができます。

D特定の相続人に相続させない場合や相続分を少なくする場合は配慮しましょう。

財産はどう分けるか、誰に何を残すのか決めることは遺言者の自由です。

しかし、相続人によっては、法定分に従って貰えることを期待している場合もあります。

ですので、ある相続人の相続分を減らしたり、一切相続させない遺言書を書く場合は、付言事項にその理由を記載しておく、遺留分の割合だけは相続させる等配慮することで、後のトラブルを減らすことになります。


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遺言の取り消し・撤回について

 遺言はいつでも遺言の方式に従って、遺言の全部または一部を取り消すことが出来ます。

また遺言以外による取り消しもあります。

そして公正証書遺言を、後に作成する自筆証書遺言で取り消すことは可能です。
 
遺言書は1度書いたらその後書き直すことができないものではありません。

いつでも取り消したり作成し直したりできます。

正式な手続きを踏んで公正証書で作成しても、後日内容を変えたければ再度公正証書遺言でも自筆証書遺言でも変更することは可能です。

遺言書の種類に優劣はなく、常に日付の新しい物が優先されます。

ですから日付は大変重要になります。

 また遺言以外の取り消しとは、遺言をした後、それに抵触する生前行為を行なった場合、例えば、遺言書に記載してある不動産を売却した場合等は、その部分について遺言を撤回したことになります。


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